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面接の的中率は何%?

こんにちは。ぐずついたお天気が続きますが、皆さんお元気でしょうか。

さて今回は前回に引き続き新卒採用面接についてです。

以前から私は拙著や講演で「面接の運用方法が整っており、一定のスキルがあれば80%以上の精度で見抜ける」と申し上げてきました。

しかし、ここ3、4年で一般的な見抜きの的中率はとても落ちたように感じます。

訓練されたシニアな面接官でも、見抜きの的中率はせいぜい60%だと思っています。現場社員を駆り出して面接をした場合は更に下がり、多少慣れたとしても50%前後ではないでしょうか。
(一部の人気企業は優秀な人材が集まるため、的中率は今でも高く80%以上の会社もあるでしょう。)

これには色々な要因が考えられますが、最も大きいのは面接という場の変化です。

今の面接は面接する人、される人の双方が自然に接しあう場ではなくなり、「受かるため」「見抜くため」のテクニックが横行しています。

それにより、本来の面接の目的が果たせなくなってきているのです。

そもそも面接の目的とは、「一緒に働く前に会い、会話を通じてお互いが受け入れられるかを感じあう」ことです。これは空気を読みあう文化を持つ私たち日本人にはマッチした方法論でした。

お互いの空気を感じとるには素で接することが必要です。
ですから完璧に準備された自己PRから空気を感じとるのは難しいのです。

面接の話題はなるべく直近の事例(事実)とし、そこから近未来の仕事振りを予測するものだ、というのは前回のコラムでもお話した通りです。

しかしこの場合でも「素を見せ合う自然な会話である」ことが前提条件となります。

つまり、企業への就職が厳しくなり、面接への備えが一般的になってきた今、「会話から能力を見抜く」という方法はだんだんその精度が落ちてきていると言えるのです。

これを補完するにはどのような方法をとればよいのでしょうか。

その一つに適性検査があります。ですがそれを完璧に活用したからと言っても100%見抜けることはないでしょう。

ですから、本人の人となりを知り、能力を検証し、自社へのマッチングを測るためには、新しい方法を追求していかざるを得ません。

面白いことに、今人事に力を入れている企業では、営業出身の人事マネージャーが新しい方法を次々に編み出しています。

やはりどのような分野においても、過去の経験よりもしなやかさが大切なのですね。

2011.6.9 樋口弘和